アレルギーの要因とされる食品
特定原材料
アレルギーの要因とされる食品、またはそれを原材料として含む食品には、それを表示することが食品衛生法により義務づけられています。(厚生労働省管轄)
現在『特定原材料』として分類されている食品には以下のものがあります。
特定原材料 | えび・かに・小麦・そば・卵・乳・落花生の計7品目 |
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アレルギーには遺伝性があるため、小さなころからはっきりわかっている場合が多いですが、加工品等の中には風味づけのために使われていることもあり、注意が必要です。
落花生などの豆類など、注意していれば避けられそうなものもあれば、小麦や卵・乳製品など、かなりの種類の食品に使われる主要なものもありますね。
これらにアレルギーがある人が万が一摂取してしまうと、場合によってはアナフィラキシーショックという重度のアレルギー反応を起こし、命にかかわることもあります。
特定原材料に準ずるもの
特定原材料には含まれませんが、過去に健康被害の報告が多かった食品を『特定原材料に準ずるもの』として、注意が必要な食品として分類されています。
こちらは食品のパッケージへの表示が推奨はされているものの、義務付けはされていないため、思わぬところでアレルギー反応が引き起こされることがあります。
特定原材料に準ずるものには以下のものがあります。
特定原材料に準ずるもの | オレンジ、りんご、キウイフルーツ、バナナ、もも、くるみ、大豆、 マツタケ、やまいも、牛肉、鶏肉、豚肉、アワビ、いか、いくら、 サケ、さば、ゼラチン、ごま、カシューナッツ |
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これを見ると、想像以上にアレルゲンとなりうる食品が多いことに驚きます。
イカやさばなどの魚介類やクルミ・カシューナッツなどの豆・木の実類はなんとなくわかりますが、普段の食卓でおなじみの果物類などにも該当食品があるんですね。
特定原材料に準ずるものの場合、アレルギー体質であっても重篤な被害報告は少ないものの、食品の包装紙への表示義務がないため、注意が必要です。体に合わないものを摂取し続けるのは、健康なお肌を保つための大きな障害となることでしょう。
アレルギー検査のいろいろ
自分の身体に特定の食品アレルギーがあるかどうかを知るための検査にはいろいろありますが、代表的なものには以下の検査があります
食品アレルギー有無の検査 | 検査方法 |
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血液検査 | 特定の食品を摂取したとき、血液の中にIgE抗体という物質が過剰につくられると、アレルギー反応を起こすとされています。 血液検査では、どの食品に対してどれくらいのIgE抗体がつくられるかを検査します。 |
皮膚テスト(プリックテスト) | 皮膚に少量のアレルゲン液をたらし、プリック針という試験用の針で小さな傷をつけます。 15分後に検査部位にあらわれた腫れや赤みの状態をみて、アレルギーの有無を調べる方法です。 |
食物経口負荷試験 | アレルギーの疑いのある食物を一定の間隔で一定量摂取し、症状がでるかどうかを調べる方法です。 精度の高いアレルギー測定ができますが、アナフィラキシーショックの危険性もあるため、専門の医療機関でのみ実施される検査です。 |
重篤なアレルギー体質ならばしっかりした検査が必要ですし、そうでなくても、お肌の湿疹やかゆみ・乾燥の原因が、軽度のアレルギー反応によるものかもしれないという風に意識することはとても大事なことです。
実際の食品の中に、アレルギー物質が含まれているかどうかを調べる検査もあります。
これは自分にとってのアレルギー食品がはっきりとわかっている場合に、ある食品を食べても安全かどうかを確かめるための検査です。
アレルギー物質含有検査 | 検査方法 |
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特定原材料 スクリーニング試験(ELISA法-エライザ法) | 検査キットを使った検査です。食品1gをサンプルとしてとり、抽出用試薬を加えて試験成分を抽出します。 これに卵、牛乳、そばなどそれぞれの試薬を加えて反応を確認します。 |
二次試験 PCR法やウエスタンブロット法 | 食品中の該当原材料のDNA試験などにより、ELISA法(エライザ法)よりもさらに精度が高い測定ができます。 通常ELISA法によって陽性反応がでた場合に、二次検査にすすみます。 |
当コラムでは食品アレルギー全般の話でしたが、アレルギー反応は一人ひとり症状の大きさや原因は異なります。中には軽度なためなかなか気づかないものもあるでしょう。
ですが、このように普段食べている食品に原因があって、お肌にトラブル症状が現れている可能性もあるのだということを知っておきたいですね。